ドイツで家を借りる前に絶対に確認すべきこと9選
ドイツの家探しは波乱万丈・奇想天外。ドイツで賃貸物件を探しているあなたに、見落とすと危険な「必ず確認すべきポイント」を伝授。外国人だからって騙されないぞ!
結婚や仕事、ワーキングホリデー、留学など様々な理由でドイツへやってきて自力で家を探そうとしているそこのあなた。
ドイツの賃貸事情は奇想天外、家探しは波乱万丈です。
実際にドイツ在住の筆者が家を探してみて「もっと前から知りたかった!」と思ったこと、ドイツで賃貸物件を探す際これだけは必ず確認した方がいいポイントや注意点について書いてみたいと思います。
また、用語の詳しい説明や仕組みなどは他に参考になるサイトが沢山ありますので、こちらでは「必ず気を付けるべきポイント」に焦点を当てて解説していきます。
※今回はWG(シェアハウス・ルームシェア・間貸し)や大学などに付随する寮の話ではなく、アパートなどの賃貸物件を探すという前提で書かせていただきます。
Contents
▽ドイツで家を借りる前の前提知識
ドイツの賃貸市場
2022年現在のドイツの賃貸市場は売り手市場です。
都市部や会社が多い地域、大学があるような地域は家を探すのに少し苦労するかもしれません。(特にミュンヘンは恐ろしいほど家がないのが現状です)
何故売り手市場なのか、その理由は2015年に施行された不動産の手数料に関する法律である「Mietrechtsnovellierungsgesetzes(MietNovG)」にあります。
この法律は「 Bestellerprinzip (発注者の原則)」に則っており、これは発注をかけた側が手数料を支払うべきであるという原則のことです。
簡単にかみ砕いて説明すると、この法律により貸し手や不動産会社は、借り手から仲介手数料を取ることが違法になったという事です。
その結果、借り手から手数料を取ることができなくなった貸し手側は、自分が手数料を支払わなければならないので、不動産会社などの仲介業者を介して借り手を探すのを止めてしまいました。
つまり、一か所に物件の情報が集まらないので、借り手側からすると手数料の負担はなくなった反面、物件を探すのが難しくなったという事です。
※法律が施行される2015年以前は、日本と同じように不動産会社に行くと様々な物件が紹介してもらえ、契約が成立すると借り手側が仲介手数料を支払うという形が一般的でした。
ドイツの不動産会社
上記で説明した手数料に関する法律の影響により、ドイツの不動産会社は現在オフィスなどの商業的な物件や、不動産売買などが主な仕事になっており、個人向けの賃貸物件の取り扱いは少ないのが現状です。
ですが、賃貸物件を探しているときに不動産会社は使えないのかと聞かれればそうでもありません。
借り手側が「仲介手数料を支払うので、物件を探して下さい」と依頼をすれば条件にあった賃貸物件を探してきてくれます。
そのため、駐在員の方々やドイツに来てすぐに住まいが必要な場合は不動産会社に依頼する事も多いです。
この場合注意してほしいのは、手数料をぼったくられないようにするという事。
◇法律で定められた仲介手数料の上限
純賃料(Kaltmiete)二か月分 + 付加価値税
これ以上の手数料を借り手側から徴収するのは違法ですので、仲介業者を利用される方は確認しておきましょう。また法律的に契約書にサインする前に仲介手数料を支払う義務はありませんので、例え相手がそう促したとしても、契約より先にお金を振り込むのはやめましょう!
物件を探す方法
- 物件情報サイト
- eBay
- 知人からの紹介
- エージェントに依頼
この4つが主な方法だと思います。これ以外にも、市のWEBサイトや学生であれば学校の掲示板なども方法の一つですが、母数が少ないのでそこはかなり運とタイミングかなと思います。
▽おすすめ物件情報サイト
Immoscout24
Immowelt
こちらの2つのサイトが大手のおすすめサイトです。
この二つのサイトは直接不動産会社が運営しているわけではなく、あくまでも物件探しのプラットフォームなので、個人的に借り手を探している人から、エージェントが出している物件まで様々見ることができます。
筆者も実際にImmoscout24でアパートを探したのですが、どちらのサイトもきちんと精査して利用する分には問題ないと思います。
▽eBay kleinanzeigen(イーベイ クラインアンツェイゲン)
不用品を出品したり、中古品を購入できるサイトですが、物件を探すこともできます。
先ほど紹介した大手サイトにすでに掲載されている物件の他に、本当に個人的に借り手を探している人が情報を掲載しているという印象です。
▽知人からの紹介
「私今家さがしてるんだ!」と周りの人に言いまくるのも良いと思います笑
面識がある人だと、貸し手側もハードルが下がりますし、借り手側も安心なので、知人や友人に一度聞いてみるのもありだと思います。
▽エージェントに依頼する
お金を支払ってエージェントに依頼する方法です。
忙しくて時間がない場合、一番効率がいい方法だと思います。
ドイツ全土をカバーしている不動産会社はあまりないので、地域に根付いた不動産会社をお住まいの地域で探してみてください。
語学に不安がある場合、大きな都市であれば日本語で対応してくれる不動産会社も見つけることができます。
①Nebenkostenに何が含まれているか確認
ドイツの家賃形態は
- Kaltmiete →部屋のみの家賃
- Nebenkosten→光熱費や管理費など付随費用
- Warmmiete→上記二つを足した最終的な家賃
- Heizkosten→暖房費
- Kaution→保証金
の5つが家賃を確認する上で大切なポイントです。
KaltmieteにNebenkostenを足したものがWarmmiete(最終的な家賃)になるわけですが、このNebenkosten(管理費・共益費)に何が含まれているのか必ず確認しましょう。
ゴミ回収費用 | Müllabfuhr |
道路清掃(物件の前の道路) | Straßenreinigung |
共用部分など建物の清掃 | Hausreinigung |
暖房費 | Heizkosten |
水道料金 | Wasserversorgung |
除雪費用 | Schneebeseitigung, Winterdienst |
エレベーター管理費 | Aufzug |
煙突掃除 | Schornsteinfeger |
トラブル例
◇共用部分の階段の清掃がNebenkostenに含まれておらず、入居後に住民が交代で清掃しなければならない事を知った。
◇煙突清掃が来るたびに毎回別途で料金を徴収された。
契約をしてしまった後では遅いのでNebenkostenにどんな費用が含まれているのか事前に確認しておくことをおすすめします。
②お湯はなにで沸かしているか確認
水は家賃に含まれている事がほとんどですが、お湯が含まれているかどうかは、契約内容とどのシステムでお湯を作っているかによって変わるので確認しておきましょう。
お湯を沸かすシステムは、大きく分けて二つあります。
電気で沸かす「Strom-Durchlauferhitzer」
またはボイラーなどのガスです。
ここでやっかいなのは電気で沸かすStrom-Durchlauferhitzer。これでお湯を沸かしている建物には注意しましょう。
なぜならドイツの賃貸契約では、概ね家賃にガス代と水道代が含まれており、電気代は別途自分で契約して支払う形になるのですが、お湯を沸かす機械が電気で動いているとなると
お湯を沸かすたびに電気代がかかる=水は家賃に含まれるがお湯は家賃に含まれない
ということになってしまうからです。(WarmmieteなのにWarmwasser(お湯)入ってない事になる涙)
これだと毎日のシャワーや、お洗濯、洗い物などお湯を使えば使うほど電気代が高くなってしまいます。
Strom-Durchlauferhitzerで沸かすお湯がどれほど高いかというと
◇シャワー1回分で比較した時のお湯の値段
・ガス → 0.43€
・電気 → 1.83€(電気代が30セント/1kwの場合で計算)
年間に換算すると、ガスの場合157€、電気の場合668€と約4倍の金額!
家賃以外の固定費を抑えたい(4倍以上はばかばかしい)と思う方は、何でお湯を沸かしているのか必ず確認しましょう!
※電気でお湯を沸かしている場合でも、契約書にお湯がNebenkostenに含まれていると記載があれば問題ないです。
③Heizkosten・Heizungの種類を確認
次にドイツの暖房「Heizung」の料金と種類を確認しましょう。
冬の寒い期間が長いドイツでは、欠かせない存在であり、その料金も気になるところです。
まずはHeizkostenがNebenkostenに含まれているか否かを確認しましょう。
そして含まれていないのであれば、その家のHeizungが何をエネルギー源としているのかもしっかり確認してください。
一般的にガスのHeizungが多く普及していますが、そんな中でもやはり注意なのは「電気(Strom)」で動くものです。
先ほどの湯沸かし機同様、電気は家賃とは別料金になるのはもちろんのこと、そもそもの電気料金が高いです。
※近年電気料金が高くなっているのはもちろん、ドイツはエネルギー政策の中で原子力発電を停止し再生可能エネルギーへの投資が盛んに行われている背景もあり、大規模な停電や電気料金のさらなる高騰が予測されているので、お湯や暖房など生活に必要なものはなるべく電気をエネルギー源としていない方が無難だと思います。
体験談
筆者が夫と二人で短期的に借りていた65㎡のアパートは電気のHeizungだったのですが
月の電気代がなんと150€!高すぎて笑うしかありませんでした。
同じ面積で通常のガスHeizungであれば、暖房費とお湯を合わせても50€以下なのでその差は歴然だと思います!
④キッチンの有無を確認する
物件にキッチンが入っているのか入っていないのか確認しましょう。
日本人の感覚からするとキッチンが入ってない家なんて家じゃない!と叫びたくなりますが、ドイツでは北ドイツや一部の地域を除いて、賃貸物件にキッチンが備え付けられていないのが一般的です。(キッチン付きの家がないわけではないです。)
日本のようにコンビニやお手頃な飲食店があるわけではないので、ドイツでキッチンがないというのはかなり死活問題だと思います。
物件のキッチンの有無についてパターンがあるので見ていきましょう。
▽キッチンの有無
物件情報への記載 | 料金 | キッチンの修理費用 | 退去時 | |
---|---|---|---|---|
キッチンなし | 特になし (ないのが当たり前なので特に何も書いていません笑) | 自分でキッチンを購入し、取り付ける必要がある。 | 自分もち。 自分で業者を雇い修理する。 | 原状回復が基本。 キッチンと共に退去 or 次の住民に買い取ってもらうか、無料で引き渡す。それもダメならキッチンを廃棄。 |
前住人のキッチン引き受け | Einbaukücheübernehmenと記載あり | 交渉ベースで前住人からキッチンを購入 or無料で引受 | 自分もち。 自分で業者を雇い修理する。 | キッチンなしの退去時と同じ。(上記参照) |
キッチン付き | Einbauküche と記載あり | 家賃に含まれているか、大家さんの好意で無料。 | あきらかに壊したとかでなければ、大家さん負担。 | 撤去の必要も何もなし。 |
キッチン付き (条件つき) | Einbauküche zur Nutzung überlassen と記載あり | 大家さんの好意で無料使わせてもらえる。 | キッチンがあるから使ってもいいだけなので、修理などは自分もちの事が多い | 撤去の必要も何もなし。 |
よく物件サイトに出ているキッチン付きを謳う家のほとんどが、前住人からのキッチン買取が条件の事が多いです。
▽キッチンの有無によるメリット・デメリット
キッチンなし物件
◇メリット
・自分好みのキッチンを取り付けられる
・次の引っ越し先にキッチンを持っていける
◇デメリット
・賃貸物件の部屋にあったキッチンを購入するため、次の家で使えるか分からない
・キッチン代と施工費用合わせて最低でも2000€以上の費用がかかる
・修理修繕は自分でしなくてはならない
・退去時にキッチンも撤去しなければならない
・撤去しない場合、次の借り手にキッチンを購入してくれるかどうか自分で交渉する必要があある。
前住民のキッチン引き受け
◇メリット
・入居してすぐキッチンが使える
・次の引っ越し先にキッチンを持っていける
・値段交渉可能な場合が多く、ゼロからキッチンを購入・設置するより安価に購入できることもある。
◇デメリット
・キッチンを買わなければ契約を貰えない
・言い値なので古いキッチンや壊れたキッチンを買わされる可能性がある
・修理修繕は自分でしなくてはならない
・退去時にキッチンも撤去しなければならない
・撤去しない場合、次の借り手にキッチンを購入してくれるかどうか自分で交渉する必要があある。
キッチン付き物件
◇メリット
・入居してすぐキッチンが使える
・修理修繕費用は大家さんもちの事が多い
・退去時に撤去したり売ったりする手間がない
◇デメリット
・自分好みのキッチンではない
・家賃がその分高くなる
キッチン付き(条件付き)物件
◇メリット
・入居してすぐキッチンが使える
・退去時に撤去したり売ったりする手間がない
・使わせるだけなのでキッチン分の家賃を上乗せされる事が少ない
◇デメリット
・自分好みのキッチンではない
・契約によって修理修繕費用は自分もちのなる可能性がある
・大家さんがキッチンに投資する可能性が低く、機能には問題ないが古かったりする可能性がある。
個人的には少々値段が高くても「キッチン付き」の物件をおすすめします。
▽何故大家さんはキッチンを入れないのか
ドイツの大家さんがキッチンを物件に入れない理由は「壊れたら修理しなければならないから」が主な理由なようです。爆
設備が多ければ多いほど、管理するのにお金と手間がかかるので、最低限の状態で貸し出すのが慣習だそうです。(キッチンって必要最低限の設備だと思うのは私だけでしょうか笑)
何故一生住むわけでもない賃貸物件にピッタリ寸法の合ったキッチンを購入しなければならないのか、筆者にはさっぱり理解できませんが、ドイツ人の方々はDIYやIKEAなどで組み合わせて作るオリジナルキッチンを楽しんでいるようです。
▽キッチン引き受けは交渉できる(VB)
キッチンを前住民から買い取る場合、値段の交渉が可能です。
物件情報に「Einbauküche 3000€ (VB)」などと記載されているのを見たことないでしょうか。
VBとは
Verhandlungsbasisの略語であり「交渉ベース」を意味します
この文言が記載されている場合、3000€で買ってほしいけど、交渉も可能ですよという意味です。
例えば、冷蔵庫はいらないので2500€に値下げしてくださいなど、キッチンの状況を見て交渉してみてください。
▽退去時のキッチンの取り扱い
賃貸物件の退去時の条件は日本と同じように「原状回復」なので、自分たちで取り付けたキッチンは自分たちで撤去しなければなりません。
つまり、キッチンは物件に含まれていないのだから、キッチンがない状態にして退去してね!という事です。
こんな理由から、物件サイトに情報掲載しているのは大家さんでもエージェントでもなく、キッチンの買い取りを条件に次の住民を探す、正に今その家に住んでいる人(契約している人)という事も少なくありません。
⑤Untermieteかどうか確認する
Untermieteとは「又貸し」の事で、ドイツでは一段階までなら又貸しが法律的に認められています。
例えば、3年間の賃貸契約をしたとして、その間に事情があり引っ越したいが、契約期間を満了していないので引っ越すことができない、違約金を支払わなければならないといった事が起こった場合、やむ負えない事情で引っ越しを希望する人の個人の自由を侵害することになりかねないため、一段階までは又貸しが認められています。
なので何らかの事情があって、自分が借りた物件を誰かに又貸しするケースも少なくありません。
又貸しのデメリットは、賃貸契約をその家の大家さんとではなく、今契約を持っている住人と契約をするという点です。
大家さんとの直接契約ではないので、契約内容は素人が作ったものである事が多く、曖昧になってしまう事があります。
実際にあったトラブル
又貸しで借りている家に3年間住んだAさんは、又貸しの契約が満了になった後も引き続きその家に住み続けたいと考えていました。しかし、その旨を大家さんに交渉すると、契約を拒否されてしまい、3年間住んだ家から急な引っ越しを余儀なくされました。
又貸しの契約でその家に長期間住んだとしても、又貸し契約を満了した後に大家さんがあなたと契約を継続してくれるかは別の話です。
なるべく又貸し物件ではなく、大家さんと直接契約できる物件がおすすめです。
⑥Kündigungsverzichtを確認する
Kündigungsverzichtとは「最低契約期間」の事を指します。
この文言がある場合、最低でもその家に〇〇年間は住んでくださいねというような縛りがあるという事です。
例えば、ドイツで家を探しているが、完全帰国の予定があり2年くらい住める家を探しているというような場合、最低契約期間が5年などの家を契約すると退去時に違約金や、残りの契約期間は誰かに貸すか、最悪の場合契約満了まで住んでもいない家の家賃を自分で払い続けるかという事になりかねません。
ご自身の状況を鑑みて、十分に検討する事をおすすめします。
⑦Staffelmieteかどうか確認する
Staffelmieteとは「段階的家賃」の事を指し、将来的に通常1年単位で家賃が上がっていく契約のことです。
何故このような事が認められているのかというと、現在の法律では建物の内部を新しくしたり、設備をリニューアルしたときに、貸し手側は契約後に家賃を値上げする事が法的にできないため、大家さんが家への投資費用を予め計算し契約書に入れておくためです。
Staffelmieteについては、自分が家賃の値上げに納得できるのであれば契約しても特に問題ないと思います。
▽Staffelmieteの表記
Staffelmieteは最低でも一年間隔で設定+%表記ではなく金額で提示する事が法律により定められているので、
「半年おきに〇〇%の値上げ」「一年おきに〇〇%値上げ」などと表記された契約は無効になります。
契約書の書き方や、具体的にどれくらい家賃が上昇するのか、説明がない場合はどんどん質問しましょう。
▽Mietpreisbremse(家賃ブレーキ) との関係
2014年からスタートした「Mietpreisbremse(家賃ブレーキ)」という、その土地の周辺価格よりも10%以上高い家賃を提示することを禁止する政策に関連して、Staffelmieteを行った結果、上がった後の最終的な家賃が周辺価格の10%以上になっている場合、借主はその値上げを拒否する事が可能です。
この政策はドイツ全土で適用されているわけではなく、国が賃貸市場が逼迫していると認定した地域でのみ適用されるので、ご自身の引っ越し先が該当地域かどうか確認する必要があります。
⑧詐欺の手口に気を付ける
売り手市場のドイツでは、希望の家を探すのに苦労するため、残念ながらそこに付け込んだ詐欺が存在するのが現状です。
詐欺師は借り手側の「この物件を逃したらもう良い物件に出会えないかもしれない」と言うような心理を利用するのです。
特にドイツ語に不自由な外国人は格好の餌食ですので、以下の詐欺パターンを頭に叩き込んでおきましょう。
▽よくある詐欺のパターン
◇今海外にいるいる詐欺
(例)今仕事で海外にいるので、先にお金を振り込んでくれれば郵送ですぐに家の鍵を送る
◇実際の物件が存在しない詐欺
(例)物件の紹介写真が明らかに綺麗すぎる。写真を転載し色々なサイトに同時掲載している。
◇ダブルブッキング詐欺
(例)君の他にも借り手がいて実は契約をダブルブッキングしちゃったんだけど、先に保証金を振り込んでくれれば君を優先するよと甘い言葉で誘う
◇半分現金で支払って詐欺
(例)Kaution(保証金)の半分を現金で先に支払って、残りを振り込みでと意味不明な事を言う。
※田舎や貸し手が高齢な方だと現金で保証金を払わせるケースは稀にあるのですが、法律上現金で支払った保証金は無効になる可能性が高いので、保証金は記録の残る銀行振込で支払う事をおすすめします。
▽詐欺に引っかからないために大事なポイント
「契約書にサインをする前にお金を渡さない」という点です。
ドイツで日本人は立場の弱い外国人な事をいいことに、ドイツ語でまくし立ててお金を持ってこさせたり、外国人だからなかなか家見つからないんじゃないか、など足元を見て色々言ってくる場合もあるので、少しでも「怪しい・変だな」と思ったらすぐに連絡を絶って次に進みましょう。
⑨気になる事は全て契約書に書いてもらう
いよいよいい物件が見つかって、契約の段階になったら今一度、契約書に盛り込んでほしい内容を伝えましょう。
例えば、内見の際に床をリフォームしてから貸し出しますよと説明されたにも関わらず、いざ契約書を確認するとその旨が記載されていない場合は「床のリフォームを行った状態で貸し出す」と文言を追加してもらいましょう。
ドイツは口約束はただの口約束、契約書が全てなので相手が口頭で言った事を鵜呑みにせず、書面で残すのが安心です。
ここはドイツですので、正当なことであればドンドン主張して大丈夫です。
誠実な貸し手であれば、不安だから契約書に書いてくれと頼めば必ず対応してくれると思います。(それを面倒くさがる貸し手ならやめておいた方が無難です。)
まとめ
① Nebenkostenに何が含まれているか確認
②お湯はなにで沸かしているのか
③Heizkosten/Heizungの種類を確認
④キッチンの有無を確認
⑤Untermiete(又貸し物件)かどうか確認する
⑥ Kündigungsverzichtを確認する
⑦ Staffelmieteかどうか確認する
⑧詐欺に気を付ける
⑨気になる事は全て契約書に入れてもらう
筆者はドイツ人の夫と一緒に家を探しましたが、それでも条件に合う家を探すのは難しかったです。恐らく私一人で探していたら、法律や慣習など分らない事も多く、不利な条件で契約に進んでいたかなと思います。
家探しは運とタイミングもあると思うので、今回紹介した注意点に留意しつつ根気よく探してみてください!
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